日本時間夜の9時にも関わらずNECRONOMIDOL のプロデゥーサーであるリッキーウィルソンさんは彼のグループについて熱く語ってくれました。インタビュー時には背景のセットアップで彼の器用さと自作熱心であることがよく伝わってきました。更にNECRONOMIDOLのブラックメタルスタイルに合うような黒いTシャツとグループロゴがみえるスウェターを着ている事も印象的であった。簡単な自己紹介のあとには彼の背景と今までのアメリカ人としてグループをプロデュースする経験について聞いてみました。

一人のファンから一人のプロデューサーに

映画学について勉強をしていた大学を卒業しリッキーウィルソンは日本に引っ越しオンラインホビーショップで働いていた。そこでは通訳、翻訳、そして国際的な取引のスキルを身につけた。「American Ninja Warrior」というテレビ番組のイベントでアイドルと関わることがあり、そこからStardust Entertainment所属の ももいろクローバーZ を知り後にはファンになり彼女たちのイベントにも行っていた。アイドル業界の事を徐々に知り始めたウィルソンさんは大手事務所出身じゃないアイドルについても興味を持ち始めた。

「事務所に所属していないアイドル達のことも知り始めたんです。一人、数人のプロデューサーの元で活動してたり。その時僕は「バンドみたいだ!アイドルグループを作ればいいんだ」って「大きい会社も規模のある事務所は必要ないんだ」って思い挑戦してみようと思いました。」

そう思いついたウィルソンさんは、グループについて細かく計画をし始めた。ブラックメタル、パンクロック、ダークウェーブ、ウィッチハウスといった様々なジャンルを取り入れたNECRONOMIDOL。名前の由来はH.P. LovecraftのNecronomiconに影響を受けたとのこと。

メンバーも集まり2014年にはデビュー曲「あたいの爪痕」でデビュー。

Image courtesy of NECRONOMIDOL

「ワンマンライブ」

しかし、そのデビューまでの道のりは決して楽ではなかった。ウィルソンさん自身過去に友達とのバンドで人前で演奏することはあったもののそのときとは違う責任感と課題に直面していた。

「その時まで音楽プロダクションに関わったことがなかったし、振付の作り方もわからなかったです。音楽自体についてはバンドにいた事もありわかってはいましたが、やらないといけないことはたくさんありましたね。」と過去を振り返り語った。

ほかにもアメリカ人である彼が日本の音楽業界のネットワークに入り込む事が困難だったとのこと。近日行われるイベント HYPER JAPANといった海外でのイベント管理などには国際的背景が有利なものの、日本語が母国語じゃないとそもそもが難しいとのこと。

「結局は結果じゃないですか。この公演には何人のお客様がくるのか?何枚のCDが売れるのか?MVの再生回数はどう?とか」ウィルソンさんはこれらの結果は制作中のコミュニケーションと共同意識が大事と言う。「ネットワーキングと実力も大事ですが、日本語がわからないからって優しくしてくれるわけではないので。コミュニケーションが取れるか取れないかの二択ですね。」

「毎日が同じということは決してない」

ウィルソンさんに普段の一日のルーティーンを聞いたところ彼は笑った「普段の一日のルーティーンはない」と。今はグループの全てを管理している彼。「グッズの注文、作詞、ブッキング、グラフィックデザインなどいろんなことをグループのためにやっていますね。」

グループのメンバーと向き合ってリハーサル、レッスン、公演が行われるのは平日の夜か土日が多い。具体的な内容を最近実際に行われた公演当日のルーティーンで教えてくれました。

「朝の5時には予約内容、グッズの準備を始めました。会場に着いたのは午前9時10時頃。そこからはリハーサル、リハーサル、リハーサル。公演開始は午後7時でしたね。終わったのは8時半。そのあとは違う会場でのファンミーティングがありました。公演が行われた場ではアイドルとファンが写真を撮れなかったので違う所を予約していました。そのファンミーティングは夜11時まで行われました。」

毎日がこうである訳ではないがどんな小さいイベントでも多大なる準備が必要とされている。ライブ配信が行われると裏作業の責任を持つウィルソンさん。チケットを買われた人全員にリンクが送られているかを確認し、すべてをセットアップしてすべてがスムーズに行くようにする。

彼本人もステージに立つ事も。5月13日に行われた魔界festivalではメンバーの月城ひまりの舞台に参加していた

こうやっていろんな役割を果たす彼。そんな自由さが彼にとっては特別なものである。

「僕は作詞が好きです。NECRONOMIDOLの歌詞は全部書いています。ひまりはその作詞を手伝ってくれることもあります。歌詞を創り上げることがすごく好きで、ミュージックビデオの監督作業もそうですし。大学ではそういうことについて学んだのにどこでもその知識を使えなかった。アート監督をやるのがすごく楽しいです。衣装からセットまで全て、自分で作りますね。」彼は楽しそうに話していました。

リッキーウィルソンちNECRONIMIDOLの未来

ウィルソンさんは今後のプロジェクトを楽しみにしている。「映画制作に挑みたいです。ゲーム制作も。何年か前からずっとゲームを制作してみたいと言っているのでやりたいですね。横スクロールゲームとかビジュアルノベルとか。ファンの方々がメンバーのピクセルアートをしていることを何度か見たのでそれでゲームができたらいいかなと思ったりしています。」

ウィルソンさんと彼のグループNECRONOMIDOL。目が離せない彼と彼女たち、最近では​6月20日にデビューする​新メンバーも集まった。この勢いに乗り彼はグループのために尽くして今後のプロジェクトもたくさん。海外でのHYPER JAPANとメンバー​月城ひまりのソロプロジェクト。楽しみなことが盛りだくさん。

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